「今日の現場、誰と一緒だ…?」朝の憂鬱の正体
この仕事、好きですか?
きっと、心のどこかでは「好きだ」って思ってるはずなんです。自分の手で更地だった場所に綺麗な駐車場ができあがったり、頑丈な基礎が姿を現したり。あの瞬間、たまりませんよね。「俺がこれ作ったんだぞ」って、ちょっと誇らしい気持ちになる。この達成感があるから、今まで続けてこられた。
それなのに…なんででしょうね。毎朝、スマホのアラームが鳴ると、心臓がズンと重くなるのは。
「さて、今日の現場のメンバーは…」
会社のグループLINEを開く指が、やけに重たく感じる。そこにあの親方の名前を見つけた瞬間、もう一日が始まる前からどっと疲れてしまう。そんな経験、ありませんか?
「またあの高圧的な言い方を聞かなきゃいけないのか…」
「今日の現場、空気が重いだろうな…」
「質問したら、また『そんなことも分かんねえのか!』って怒鳴られるんだろうな…」
仕事の段取りや、今日の天気を心配するより先に、人間関係のことで頭がいっぱいになってしまう。技術を磨くことよりも、人の顔色をうかがうことに神経をすり減らしてしまう。こんなの、絶対におかしいですよね。
もし、あなたがそんな日々に「もう、いい加減しんどいな…」と感じているなら、少しだけこの話に付き合ってください。その疲れ、あなたが弱いからじゃないんです。あなたが働いている現場の「常識」が、時代の流れから少しだけ、取り残されているだけなのかもしれません。
なぜ、建設現場の人間関係は、必要以上にこじれるのか?
不思議に思いませんか?なんで建設現場って、こんなに人間関係でギスギスしやすいんでしょう。もちろん、仕事の性質上、安全への厳しい要求や、天候に左右されるプレッシャーがあるのは分かります。でも、それにしたって、もっとうまくやれるはずなのに…。
実は、それには業界特有の、根深い理由がいくつかあるんです。
一つは、やっぱり「指示が曖昧すぎる」問題。
親方「おい、あれやっといて!」
自分「(あれって…どっちの資材のことだ…?いや、でも聞き返したら機嫌悪くしそうだし…たぶん、こっちだろう!)」
…からの、
親方「ちげーよ!なんでわかんねえんだ!自分で考えろ!」
もう、理不尽すぎて笑えてきちゃいますよね。最初からちゃんと指示してくれれば、お互いこんな無駄な時間を使わずに済むのに。
二つ目は、「昔ながらのやり方が絶対」という固定観念。
もっと効率の良い道具や、安全なやり方を提案したとしても、「俺が若い頃はこうやってたんだ」「余計なことするな」の一言で一蹴される。新しいことを覚えるのが面倒なのか、自分のやり方を否定されたと感じるのか…。結果、チーム全体の成長の芽が、どんどん摘まれていってしまうんです。
そして、意外と厄介なのが、一部のベテランが持つ「縄張り意識」。
「この作業は俺の仕事だ」とばかりに、他の人が手を出すのを極端に嫌がったり、やり方を細かく監視してきたり。チームで協力すればもっと早く終わるのに、その人の機嫌を損ねないように、みんなが遠巻きに気を遣う。そんな現場、本当に効率悪いですよね。
こうした小さなストレスの積み重ねが、「あの人とは仕事したくないな…」という大きな溝になり、現場全体の空気を悪くしていく。まさに悪循環です。でも、裏を返せば、これらの原因を取り除いてあげれば、現場は驚くほど働きやすくなる、ということでもあります。
「見て盗め」と「分かるまで教える」、本当に仕事が早いのはどっち?
「技術は教わるもんじゃねえ、見て盗むもんだ」
この言葉、あなたも一度は言われたことがあるかもしれません。なんだか、すごく職人っぽくてカッコいい言葉に聞こえますよね。でも、ちょっと冷静に考えてみませんか。本当に、仕事が早く終わるのはどっちのやり方でしょう。
「見て盗め」スタイルの現場。そこは、言わば「答えを教えてくれないテスト」が毎日続くようなもの。
先輩の動きを動画でも撮るかのように目に焼き付けて、見よう見まねでやってみる。質問したくても「こんなこと聞いたらバカにされるかな…」と口をつぐんでしまう。家に帰ってから、「今日のあの作業、どういう意味があったんだろう…」と一人でYouTubeを見て勉強する。そして、いざやってみて失敗したら、「だからお前はダメなんだ!」と怒鳴られる。なぜダメだったのか、根本的な理由は教えてくれないまま…。これでは、成長するのに一体どれだけの時間がかかるんでしょう。正直、心が折れますよね。
一方で、「分かるまで教える」スタイルの現場。
「なんで、ここにはこの太さの鉄筋が必要なのか、分かるか?」
「この作業は、次の工程で他の職人さんが作業しやすいように、ここまでやっておくのがポイントなんだ」
先輩が、ただ「やれ」と言うだけでなく、その作業の「理由」や「意味」をちゃんと教えてくれる。ホワイトボードや、なんならその辺の板っきれに図を描いて説明してくれる。
理由が分かると、応用が利くようになります。「なるほど、だからこうするのか!」と納得できるから、一度聞けばもう忘れない。安心して作業に集中できるから、ミスも格段に減る。
一見、教える時間はもったいないように感じるかもしれません。でも、長い目で見たらどうでしょう。ミスによる手戻りの時間、先輩が後輩を心配する時間、新人が悩んで手が止まる時間…そういった無駄な時間を全部なくせるんです。結果的に、チーム全体の仕事は驚くほどスムーズに進み、夕方5時には「よし、終わり!」とみんなで気持ちよく帰れるようになる。あなたは、どちらの現場で働きたいですか?
良いチームは「仲良しクラブ」ではない。プロとしての「敬意」がある
ここで誤解しないでほしいのは、「じゃあ、みんなで和気あいあい、楽しくやろうぜ!」という単純な話ではない、ということです。仕事の現場は、学校のサークルや、友達との遊び場ではありません。
僕たちが考える、本当に働きやすい現代的な職場、良いチームというのは、「プロとして、お互いをリスペクトできる」関係性がある場所です。
例えば、プロ野球のチームを想像してみてください。彼らは、全員が全員、プライベートでも大の親友というわけではないかもしれません。でも、ピッチャーはキャッチャーのサインを信頼し、内野手は外野手の守備範囲を信頼している。お互いの「技術」と「役割」に、最大限の敬意を払っているから、あのスーパープレーが生まれるんです。
これを建設現場に置き換えてみましょう。
・後輩が重い資材を運んできたら、「サンキュー、助かるわ」と声をかける。
・もしミスをしてしまったら、まず「すみません」と素直に謝る。そして周りは「おう、気にすんな。じゃあ、どうやってリカバリーするか考えようぜ」と一緒に前を向く。
・若手が「こっちのやり方の方が早くないですか?」と提案してきたら、「ほう、面白いな。ちょっとやってみろ」と一度試させてみる。
・難しい作業をやり遂げた仲間に対して、「ナイス、さすがだな!」と素直に称賛する。
年齢も、経験も、国籍も関係ない。そこにあるのは、それぞれの仕事に対するプロとしての敬意だけ。馴れ合いでなあなあにするのではなく、言うべきことはしっかり言う。でも、そこに個人への攻撃や、感情的な態度は一切ない。そんな風通しの良い環境こそが、最高のチームワークと、最高の仕事を生み出すんだと、僕たちは信じています。
まとめ:人間関係で消耗する時間を、技術を磨く時間に変えませんか?
もし、あなたがこの記事を読んで、「そうそう、分かるわ…」と少しでも頷いてくれたなら、あなたは今、とても大切なエネルギーを、もったいないことに使っているのかもしれません。
上司の顔色をうかがう時間。
理不尽な指示にイライラする時間。
家に帰ってからも、今日の嫌な出来事を頭の中でリピート再生してしまう時間。
その時間とエネルギー、本来ならもっとあなた自身のために使えたはずなんです。新しい重機の操作を覚えたり、資格の勉強をしたり、疲れた体をゆっくり休めたり、大切な家族や恋人と笑い合ったり…。あなたの貴重な人生の時間を、不要な人間関係のストレスで塗りつ潰してしまうなんて、本当にもったいない。
あなたのその腕、その経験、その「もっと良い仕事をしたい」という真面目な気持ちは、もっと大切に、正当に評価されるべきです。
私たち、埼玉県八潮市にある阿部土木建設は、昭和の古い常識や、非効率な精神論を現場から徹底的に無くすことを会社のポリシーにしています。なぜなら、社員一人ひとりがストレスなく、仕事そのものに集中できる環境こそが、一番安全で、一番良いモノづくりができて、結果的に会社が成長する一番の近道だと、本気で信じているからです。
人間関係で消耗する毎日から抜け出して、自分の技術を磨くことに集中したい。
自分の仕事に、もっと誇りを持ちたい。
そう本気で考える経験者の方からのご連絡を、私たちは心から待っています。まずは、「今の現場、実はこんなことで悩んでて…」なんていう、ちょっとした愚痴を聞かせてもらうだけでも構いません。一度、あなたのお話を聞かせてください。